私はあの時死んでいた?その5  作:高杉伸二郎


 当時、私は茨城県の山間部をとおり車で通勤していた。ある日この地方では珍しく雪が降り、少し積もった。

 帰りの時間帯になって、雪はほぼ溶けていたので、注意しながら道をのろのろと運転していた。(…大丈夫かな?)車は夏のタイヤである。(大丈夫だ)と思った瞬間、下りにさしかかった。そこは 日陰のにあたる舗装道路なので路面は凍っていた。(危ねえ!! )ハンドルが取られた。右へ、左へ、グラグラと大きく蛇行し、右にハンドルを切った時、深い急な崖にダダダダッ− と横にすべり落ちた。 何がなんだか分からない。
 
(あれ?) 車は崖の途中で横になり止まっている。よく見ると、車の前と後の側面を2本の立木に挟まれていた。 ちょうど通りかかった車のドライバ−が救助の手配をしてくれ、車は引き揚げられ私は無事だった。意外や私は全く無傷、車も前後が立木に挟まれた部分凹みはしたが、運転可能な状態だった。

(もしもあそこにうまい具合に立木がなかったら……)と思うとぞっとしたものである。

 


コメント

3点 ななか 2011/03/13 02:28
まさに危機一発


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