magic☆世界 第4話  作:朔。

それからは大変だった。
あたしの容姿はロングヘアでいつもはポニーテール、さらに女っぽい顔つき。
『男化』を結構しっかりと実行する必要があった。



まず美容院に行く。折角毎日の手入れでさらさらにしてたのに、ばっさり切られた。
でもあたしが駄々をこねたから、前髪は少し長め、襟足も首がしっかり隠れるくらい。
男のアイドル並には残してもらえた。



次にお兄ちゃんのような仕草を練習。座り方、歩き方をはじめ、ペンの持ち方なんてのも練習した。
ママは自分が言い出したにも関わらず、「女の子なのにね…」と抵抗を持ってたみたいだけど、
あたしは脚を揃えたりしなくて良いから逆に良いかも、と思ってしまった。



でも1つだけ、直さなくていいのがあった。声だ。もともと、中性的な少年声だったから、わざと低くしゃべらなくても大丈夫みたい。
とにかく、2週間くらいかかって中身も外見も男の子に近づいた…と自分なりには思っている。



転入の日。


朝、カーテンの隙間から差し込む光に目を覚ますと、むくり起きて気合を入れる。
ぱちんと顔を叩いて自分の目を覚まし、「“俺”は葛城優」と呟く。

朝食のときにママに

「良いわね、間違っても“あたし”なんていっちゃあ駄目よ!」

なんて肩をもって揺さぶられたから、もっと目が覚めた。



電車を乗り継ぎ、バスに揺られてなんとか学校についた。



聞いてたよりも、ずっと大きな学校で、キレイで、モチーフなんてすっごい可愛くて、
不覚にもこれから始まる学園生活にわくわくしてしまう。


まず門や周りは侵入者を防ぐために、2メートル以上ある柵で囲ってある。
と言ってもその柵でさえ可愛い。一本一本に彫刻が施されていて、それも全部違う柄みたいだ。

そして入るとっても広い道になってて、道のわきにはバラとかそういうロイヤル系統の花が咲いていた。

校舎はシンメトリー…だっけ。中世の貴族のお屋敷みたいな感じで左右対称に設計されていた。


あたし…じゃなくて俺は、理事長の配慮で、朝会とかでの挨拶を免れた。


この学園で、普通の生徒として過ごしていると色々配慮されていることに他の生徒から不満がでるだろうから、っていう理由で俺は特待生として転入した。



つまり入るクラスは特進コース。



吃驚するような長い廊下を担任に連れられながらきょろきょろと辺りを見回しながら歩いていくと、
一番奥に『特進』と書かれた教室があった。





ガラ、とも音のならない、ドアを開けると、凄い世界が広がっていた。






コメント

のるもっとぉー 2012/02/21 22:13
どうも、1話目から見ましたけどすごいですね♪                   がんばってください

ぽろろっか 2012/03/30 18:08
続編が早く見たいぃぃぃ


名前
評価

Novel Place CGI-Sweets