Repeated  作:あいりあ

空が紅に染まる夕刻...夕日によって赤く照らされた平野で少女が走っていた。
少女の正面には、軍勢がある。少女の敵だ。
「......」
少女は、只無言で敵を見つめそして、斬り伏せた。
充血しているようにも見える少女の瞳は、夕日を浴びて一層緋に燃えている。
少女の白銀の髪が血で紅く変わっていく。が、そんなことを気にもせず戦場を駆ける少女は、どこか人間離れした何かを感じる。
『シーラ、残りもう少しだぞ!』
無線機から声が聞こえる。
だが、了解、という言葉は口にしない。息を切らす時間を早めるだけだからだ。
「......っ!」
回避し、斬る。弾き、斬る。基本的な動きの連続だ。
生者が死者へ変わるにつれ、鮮血が地を汚す。
敵兵の殆どを滅ぼすまで、シーラと呼ばれた少女は止まらなかった。
乱れた息を正しつつ戦闘終了を報告する。
夕刻ももう直ぐ終わる。それを証明するかのように、夜が空を侵食していく。

ふとシーラは、一片の夕日を眺めた。

......綺麗ね。

呟いたその言葉は、やはり誰に届くこともなく、紅に光る夕日に燃やされ、周囲に漆黒の闇が訪れると共に、消えた。


コメント

あいりあ 2012/03/25 17:45
お初にお目にかかります。あいりあと申します。
此度は「思い返せば布団に顔をうずめて足をバタバタさせたくなるような小説書いて投稿しよう」と友人に提案された為、書かせて頂きました。
まだまだおかしな文章しか書けませんが、楽しんで頂ければ幸いです。


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