鈴と柚 第2章  作:ruri

  第2章 一緒に行こう

 それから、この現実を受け入れるのに、すごく時間がかかった。
 死んだときのショックとは、これほど大きいものなのかと、柚は
初めて実感したのだ。
 きっと、鈴も最初はこんな気持ちだったんだろうな。生き返りた
いな。でも、それは、もう…
「生き返りたいとか思ってる?」
「そりゃ、そうでしょ。…まさか生き返れたりするわけ?」
 鈴はいきなり立ち上がった。
「どうだかね〜?」
 鈴が歩いていくので、それについていった。
「生き返れる道みたいなのがあるらしいよ。なんか…『生死のトン
ネル』とかいうのがあるんだって!」
 馬鹿みたい。まさかこんな変な冗談を鈴が言うなんて思ってなか
った。
「うそでしょ?冗談やめてよね。」
「…ホントだよ。生き返れるかもしんないんだよ。生き返りたくな
いの!?」
 鈴が真剣に訴えかけてきた。なぜこんなに必死なのか、私はよく
わからなかった。
「ホントなの…!?」
 でも、びっくりした。今までにも、非科学的な事がたくさん起こ
ったって言うのに、また、こんな変な事があるってことを知るなん
て爆発的な所だなあ。
 もちろん、私は生き返りたい。あの楽しい日々に戻りたい!鈴と
一緒に…
 「行きたいよ。『生死のトンネル』に。」
 「私、生き返りたいの!」


コメント

ruri 2012/05/10 22:54
一章を先に読んでくださいね。


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