鈴と柚 第4章  作:ruri

  第4章 出発の準備

 私は本当に生き返りたかった。鈴と一緒に遊びたかった。
もっと楽しく生きたかった!それを取り戻せることが出来る
なんて、これほど嬉しいことは無い!無茶だとは思わない。
生死が分かれる、大事なことなんだ。
「柚姉、いろいろ教えてあげるよ。来て。」
 鈴はいつもしっかりしていた。私より頼りになるから、よ
く鈴は褒められていた。悔しくは無かった。私はいつでも、
それが誇らしかった!
「うん。どうすればいいの?」
「寺…というか、まあ、そういうところがあるんだけどね、
 そこへいって御守りを貰うのがまずひとつ。これは、重要
 なんだよ。よく知らないけどさ、ピンチの時役に立つらし
 いよ。あと、これは時間の勝負だよ!ぶっ続けで走ること
 になるからね。頑張ってよー!」
 鈴はそんなに緊張しないのかな?…もしかして、こういう
ことを一度したことがあるとか……?
「あ…うん。わかった。教えてくれてありがとね。」
「ふたりでいればきっと大丈夫だよ。」
 さっきから、ずっとそうなんだけど、鈴は生き返る話をす
ると、いつも悲しそうな顔をする。そんな顔だと、こっちも
悲しくなっちゃうのに……なぜそんな顔をするの?
「ねえ…鈴。」
「生き…返れるよね……?」
 少し黙って言った。
「何言ってんの!さっきも言ったでしょ?私がいるから大丈
 夫!」
 …だよね!
 柚はいつものように、鈴のいう事を信じてしまった。悲劇
が起こるのも知らずに。


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